記事詳細

【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】ブームの火星探査 周回衛星よりも一段と難しい着陸 (1/2ページ)

 このところ火星探査がブームだ。地球と火星が2年に1度、距離が近くなるタイミングを狙って、この7月には、新入りの中国やUAE(アラブ首長国連合)も火星探査機を打ち上げた。

 現在、火星を周回している探査機は、米国が4つ、欧州連合とインドが各1つ。今度中国とUAEが増えれば、8つの衛星が火星の周囲を回ることになる。これらによって火星の大気観測や気候のデータは随分増えるだろう。

 だが火星に着陸しなければ分からないことも多い。地質や岩石は着陸しなければ知ることはできない。また、それらから得られる火星の歴史を推測することもできない。

 しかし、着陸は周回衛星よりも一段と難しい。

 着陸機は時速約2万キロで正確に12度の角度で火星の大気圏に突入する必要がある。ちょっとでも角度が大きすぎると着陸する速度が出すぎてバラバラになる。角度がちょっとでも小さいと、火星の大気圏にはねかえされてしまうのだ。

 角度だけではない。時速2万キロから時速約8キロまで、わずか7分で減速しなくてはならない。大気圏との摩擦で温度が上がるので1500度もの温度に耐える耐熱シールドを備え、パラシュートを展開して減速し、パラシュートとシールドを切り離したら、今度は火星表面までロケットエンジンの逆噴射ブースターを噴射させ安全な速度まで下げて着陸しなければならないのだ。

 火星への探査機の軟着陸と表面の探査は米国しか成功していない。ロシアは旧ソ連時代に火星探査で米国に先行したが、着陸機は失敗が続いている。2016年には欧州宇宙機関(ESA)とロシア共同の着陸機が着陸に失敗して、木っ端みじんになった姿が他国の周回衛星から撮影されている。19年にもインドの着陸機が着陸に失敗して無残な姿で発見された。

関連ニュース