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コロナで異例の米韓演習 文大統領の夢…任期内の指揮権移管は実現困難に (1/2ページ)

 【ソウル=桜井紀雄】朝鮮半島有事を想定した米韓合同軍事演習が18日に始まった。新型コロナウイルス感染症の影響で米本土などから韓国への増援はなく、規模を大幅縮小した異例の実施となった。米軍が現在、事実上持つ有事作戦統制権(指揮権)を韓国軍へ移管するための検証に支障が生じ、任期内に移管を終えるという韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の目標も実現が困難になったとの見方が強まっている。

 北朝鮮は、米韓演習自体の完全中止を要求し、実施に強く反発してきた。韓国では、南北融和を優先する立場から演習の見送りを求める声も少なくなかったが、文政権は今回、実施に前向きだった。作戦統制権移管のための重要な検証を見込んでいたからだ。

 「自主国防」を掲げる文氏にとって作戦統制権移管は、盟友だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の時代からの悲願だ。米韓は2014年に移管で原則合意し、現行では米側が務める司令官を韓国側が担う新たな連合軍司令部体制に向け、運用能力の検証を重ねることになっていた。

 文政権は、今年に第2段階、来年に第3段階の検証を終え、22年の文氏任期内に移管を成し遂げる青写真を描いていた。だが、新型コロナで検証のための米側の要員の移動に支障を来した。韓国側は最後まで検証にこだわったが、米側は北朝鮮の挑発に備える訓練に集中する立場を貫き、本格的な検証は来年に持ち越される見通しとなった。

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