記事詳細

自民、党内にじわり解散風? 首相「頭の片隅にもない」

 衆院議員の任期が残り約1年4カ月となる中、政界で安倍晋三首相が早期の衆院解散・総選挙に打って出るのではないかとの臆測が広がっている。年内のタイミングを逃せば「追い込まれ解散」となり、防戦を余儀なくされる可能性が高まるためだが、新型コロナウイルスの第2波に備える必要などから慎重論も根強い。(広池慶一)

 「いつ解散があってもいいという、研ぎ澄まされた感覚で政治に臨んでいかなくてはならない」

 自民党の二階俊博幹事長は23日の記者会見で、解散時期をめぐり、さまざまな発言が増えていることに、こうクギを刺した。

 党内では、早期解散論への指摘が増えている。森山裕国対委員長は20日、鹿児島市で開いた党会合で「そう遠くない時期にある。しっかり備えなければならない」と強調。首相に近い世耕弘成参院幹事長も23日の会見で「いつあってもおかしくない」と語った。

 早期解散の臆測は、首相と麻生太郎副総理兼財務相とが10日、2人きりで約1時間会談した後、一気に広まった。麻生氏は首相時代、支持率の高かった就任直後の解散機会を逸し、衆院議員の任期満了近くとなる「追い込まれ解散」を強いられ、下野した苦い経験がある。党幹部は「失敗を知るだけに早期解散を進言しているはずだ」と見る。

 解散風に神経をとがらせているのは野党も同じだ。国民民主党の玉木雄一郎代表は24日の会見で、「常在戦場という言葉があるが、常に備えを万全にしていく」と強調。立憲民主党の枝野幸男代表も「お盆明けにも解散だと思っている」と警戒を強める。

 特に選挙基盤の弱い若手を中心に危機感が強まっており、国民の幹部は「野党は大きな固まりにならなければ勝てない」と語った。

 一方、解散論と距離を置くのが、新型コロナの影響で得意の組織運動を封じられている公明党だ。党幹部は早期解散について「準備が間に合わない。こんな状況で選挙をしたら自民も公明も負ける」と断言。24日に首相と会談した山口那津男代表も記者団に、首相が「頭の片隅にもない」と語ったことを強調した。(産経新聞)

関連ニュース