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【高橋洋一 日本の解き方】9月入学論は合理的なのか? 検討進める好機ではあるが…現場の実務能力が問われる (1/2ページ)

 新型コロナウイルス問題で多くの学校が休校になったことをきっかけに、「9月入学」論が浮上している。果たして合理的なのだろうか。

 9月入学を検討すること自体はいい。コロナ問題で社会の変化があるときは、従来タブーとされていた問題にも切り込むいいチャンスだ。

 そもそも日本で4月入学となったのは1921年。もともと大学は欧米と同じく9月入学だったのを、大学と軍の間で人材確保競争があり、徴兵令改正で徴兵対象者(満20歳の男子)の届け日が4月1日になったことに端を発する。

 欧米で、9月入学が一般的なのは、夏休み明けに入学となっているからだ。そのため、夏と冬が逆の南半球のオーストラリアやニュージーランドでは2月入学だ。

 ちなみに、筆者も米国留学してはじめてわかったが、入学の際に日本の入学式のような盛大な式はない。夏休み後、学生が少しずつ集まり、それぞれが事務手続きをして、ある日から授業が始まるという感じだ。このやり方は事務手続きを平準化できるので合理的だ。その代わりに、卒業式は盛大に行われる。

 こうした経緯もあり、外国からの留学生も少なくないので、大学関係者を中心に従来の4月入学を9月入学に見直す動きが強まっている。欧米では9月入学が約8割に達することもあり、大学関係者は9月入学を強く意識せざるを得ないわけだ。

 ここで、日本で9月入学としたときのデメリットを考えてみよう。簡単に思いつくこととして、それぞれの段階の学校において、4月から9月まで入学生がいないので、就学前も含めて待機児童や生徒、学生が増える。小中高校では何とかやり繰りができても、就学前の待機児童の増加は対応策は難しい。

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