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【室谷克実 新・悪韓論】文大統領、自画自賛の次は選挙に向け国民“おだて”戦術? 「世界を先導する大韓民国…国民が偉大だったのです」 (2/2ページ)

 「予期せぬクラスターが発生するとしても、われわれは速やかに対応できる防疫・医療体制と経験を兼ね備えています」と強気に語ったが、これから1、2週間ほど、どんな手法で濃厚接触の特定と検査が行われるのか。日本で「防疫は韓国に学べ」と声を張り上げている人々はしっかり観察すべきだろう。

 文氏は「大韓民国は世界一安全で透明性を持った生産拠点となりました。世界は今や安価な人件費より、革新力量と安心できる投資先を選好し始めました」として、「われわれにとっては絶好のチャンスです」とも力説した。

 4月30日には、当局が3回も「火災の危険」を警告したのに、無視して建設工事を進めていた韓国中部・利川(イチョン)市の物流倉庫で火災が発生し、有毒ガスにより38人が一瞬にして死亡した。

 5月7日には、韓国の大手財閥であるLGがインドで運営する化学工場から有毒ガスが流れ出し、13人が死亡、5000人が目や呼吸器の異常を訴えている。

 韓国の教育は「反企業精神」を煽る内容が強く、とりわけ外国資本に対する嫌悪感情は国民一般に広がっている。さらに、公務員の利権としての法的規制が張り巡らされ、ささいな事項の許認可を得るにも賄賂が必要な社会だ。

 何をもって「世界一安全で透明な生産拠点」だというのだろうか。

 どうやら文氏は幻想を見ている。幻想を見て語り、国民を舞い上がらせているうちに、自らがより高く舞い上がってしまったのではなかろうか。

 文氏は演説の随所に「危機克服のDNAを持つ国民の皆さまを信じています」「国民が偉大だったのです」「国民の皆さまを心から誇りに思います」「任期の最後まで偉大な国民とともに」などと、おだてのセリフをちりばめた。

 これは、「危険な左翼民族主義」の種まきではないのか。大統領の演説を聞いただけで、韓国が危険極まりない国と思えてくる。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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