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【高橋洋一 日本の解き方】日銀「追加金融緩和」の次は財政が焦点 GDP悪化で自殺者1万人見込みも…経済政策によって止められる (1/2ページ)

 日銀は4月27日、金融政策決定会合を開き、追加金融緩和を決めた。

 政府が国債の新規発行を増やして大規模な経済対策に乗り出すのに連動して、国債の買い取りについて「年間80兆円をめどとする」という従来の上限を、当面設けないとした。事実上の無制限国債買い入れである。また、厳しい資金繰りに直面する企業が資金を調達しやすくなるように、企業が発行する社債やCP(コマーシャルペーパー)の買い入れの上限も計7・4兆円から20兆円に拡大する。

 遅きに失したとはいえ、当然の策だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は既に3月末に無制限国債買い入れを決め、企業債のみならず、地方債まで購入対象になっている。

 欧州中央銀行(ECB)も同じ時期に国債買い入れ枠を撤廃している。ここで、日銀が動かなければ世界の笑いものになっていたはずだ。筆者としては、日銀が地方債も購入対象とするのかどうかに関心があったが、残念ながら今回の緩和措置には含まれていなかった。

 また、このところの日銀は褒められたものでなかったことも指摘しておこう。国債買い入れ80兆円ペースと言いながら、2016年9月のイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)導入以来、国債買い入れを渋り、今や20兆円ペースと、白川方明(まさあき)前総裁時代と変わらなくなっていた。「黒田バズーカ」とは最初だけで、YCC以降では「白川化」が顕著だった。

 今は20兆円ペースなので、あえて「無制限」と言わなくてもまだ60兆円の余裕がある。80兆円枠というのが実績と乖離(かいり)しすぎて無名無実化していたので、この際、コロナ・ショックを口実にし撤廃したというのが真実だろう。

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