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【東日本大震災から9年 忘れない、立ち止まらない】「イルミネーション行事中止」で気づいた“光” 大切なのはそれぞれの立場で思いを寄せること (1/2ページ)

 中国発の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東日本大震災の慰霊行事の多くが中止・規模縮小開催となるなど、東北の被災地はいつもと違う3月を迎えている。

 岩手県陸前高田市でも、住民有志らにより震災後から続けられてきたイルミネーション行事の開催が見送られた。津波で消し去られ、明かりが一つもなくなった真っ暗なまちを光で照らしたい、空から見守ってくれる人たちにメッセージを送りたい…そんな思いから始められた行事だ。

 イルミネーションには著名なアーティスト集団も協力するようになり、手作り感とプロフェッショナルの技が共存する、特色ある催しになっていた。

 「毎年楽しみにしている」「まちの復興とともに明かりも増えていくのがうれしくって」という地域住民も多く、復興途上にある地域ににぎわいを取り戻すうえでも効果を発揮している。

 開催中止を決めた実行委から、「仲間内だけでも明かりをともそうと思っている」と聞き、7日夜に市内某所へお邪魔した。群青に沈みゆく夕闇に浮かび上がる明かりは、派手な仕掛けこそないがやはり美しく、心に静けさが染みわたるようだった。

 実行委に「残念でしたね」と声をかけた。するとメンバーは、「こういうことになって、かえってよかったのかもしれない」というのだ。

 その中の一人が「今でも、『外に出ていく気になれない』『追悼行事であっても人が大勢いるところに出かけられない』という方がいますよね。そういう方の中には、“行けない”ということで自分を責めてしまう場合があるみたいなんです」と教えてくれた。

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