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【昭和のことば】「これから、帰るよ」NTTのキャンペーンCMから生まれた カエルコール(昭和60年)

 会社勤めの旦那さんが帰宅前に、奥さんに向かって「これから、帰るよ」と(ちょっとした気遣いの)電話を掛けることを促す、NTTのキャンペーンCMから生まれたことばである。この年の4月、日本電電公社は民営化を果たし、NTTへと生まれ変わった。カエルコールに続く「コケコッコール」「生きTEL」など、一連のダジャレコピーで新会社の名は一気に広まった。

 この年の主な事件は、「横綱北の湖引退」「暴力団山口組竹中正久組長が銃殺される。一和会との抗争激化」「田中元首相自宅で倒れ、東京逓信病院に入院」「日本電信電話株式会社(NTT)、日本たばこ産業会社(JT)発足」「男女雇用機会均等法可決成立」「豊田商事永野一男会長刺殺される」「JAL123便、群馬県御巣鷹山に墜落。乗員乗客520人死亡」「三光汽船、会社更生法の適用を申請」「中曽根首相ら閣僚、初の靖国神社公式参拝」など。

 映画『ネバーエンディング・ストーリー』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開。この年施行された「新風営法」が、当時人気を誇っていた「ノーパン喫茶」を直撃。また、トルコの一青年の提言で「トルコ風呂」の名称が「ソープランド」になった頃でもあった。

 通信インフラに関して、隔世の感がある。当時は留守電がせいぜい、肩掛けタイプの携帯電話が出始め、ポケベルのブームももうしばらく後だ。いまの「カエルコール」はラインであり、各種アプリのメッセージ機能といったところだろう。

 わざわざ公衆電話を探してカエルコールをする。そんなちょっとした手間が生み出していたものが少しだけ懐かしく温かく感じられる。(中丸謙一朗)

 〈昭和60(1985)年の流行歌〉 「あの娘とスキャンダル」(チェッカーズ)「ミ・アモーレ」(中森明菜)「恋に落ちて」(小林明子)

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