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内定辞退セットに賛否両論 心のこもった「就活謎マナー」が企業にとっても大迷惑な理由 (1/5ページ)

 法務関連書籍の出版社「日本法令」が発売した「内定辞退セット」が就活生の間で爆発的に売れている。これは、例文に便箋を重ねて写経のようになぞるだけで内定辞退の手紙が完成してしまうキットと、内定辞退の方法とマナーを解説したセミナー動画(Webコンテンツ)がセットになったもので、初版の5000部は完売したという。

 当該セット監修者は「昨今の売り手市場で複数の内定を得る求職者も珍しくないが、若者を中心に『内定を辞退したいがどうすればよいか分からない』『内定辞退を言い出しにくい』などと悩む人が増えている。対面コミュニケーションを苦手とする人の役に立ってほしい」と開発の経緯について説明している。

 この件はネットを中心に報道され、賛否両論さまざまな反響が見られた。とはいえ「内定辞退セット」自体については、「書き損じもなく、文面を考える必要もないので良い」「企業側も定型文の『お祈りメール』で不採用通知を送っているのだから、求職者側も簡便に済ませて問題ない」といった好意的な意見が多かったようだ。

 一方で「否」の意見については、「例文の丸写しでは気持ちが伝わらない。自分の言葉で書くべき」といった内定辞退セットそのものに対する否定意見は少数にとどまり、もっぱら「企業側の反応を気にしすぎ」「そもそも『書類は手書きで』とか『電話やメールよりも直接会って説明すべき』といった、就活におけるマナー自体が疑問」という趣旨の意見が多く見受けられた。

 ◆直接出向くことは本当に「マナー」か

 就活におけるマナーは必要派と不要派で意見が対立しやすく、度々話題にのぼっては議論になることが多い。今般の「内定辞退時におけるマナー」問題についても、2019年5月に日経産業新聞に掲載されたコラムが就活生を中心に「謎マナーすぎる」などと批判されたことが記憶に新しい。

 話題になったのは、就活生の悩みを解決する連載企画「就活探偵団」の記事「内定辞退の正しい伝え方、『直接会って、まず感謝』を」。記事内では都内私立大学で開催された「内定獲得後のマナーセミナー」の様子を紹介していたのだが、そこで指導されていた内容が「自分を選んでくれた企業に感謝の心を持ちましょう」「メールの送りっぱなしや電話で完結してはダメ。必ずその企業に足を運ぶことが重要」といったものであった。特に「企業に直接出向く」という行為に対して、就活生のみならず社会人まで違和感を持つ声が多く挙がったのだ。

ITmedia ビジネスオンライン

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