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【昭和のことば】海外ドラマ『刑事コロンボ』の名セリフ うちのカミさんがね…(昭和48年)

 ご存じ、『刑事コロンボ』の名セリフである。ヨレヨレのトレンチコートにボサボサヘア、一見風采の上がらない中年男。派手なアクションではなく、会話による心理戦で犯人を追い詰めていく主人公コロンボ(ピーター・フォーク、日本語吹き替えは小池朝雄)の個性が受け、一躍大人気ドラマとなった。

 コロンボは去り際に振り返りながら、あることを思い出したふりをし、犯人にかまをかける。この会話シーンでよく登場するフレーズが「うちのカミさんがね…」である。ドラマの個性を印象づける名セリフとなった。

 この年の主な事件は、「浅間山大爆発」「東京・江東区、杉並区からのゴミを実力阻止(ゴミ戦争)」「日航機、アムステルダム上空でアラブゲリラにハイジャック」「来日中の韓国新民党元大統領候補・金大中、東京のホテルから白昼強制連行(金大中事件)」「国電にシルバーシート登場」「江崎玲於奈、ノーベル物理学賞受賞決定」「政府、石油緊急対策要綱決定。ガソリンスタンドの日曜・祝日休業を実施」など。

 この年の映画は『仁義なき戦い』『ジョニーは戦場へ行った』。本は、山崎豊子『華麗なる一族』、五島勉『ノストラダムスの大予言』など。プロ野球の巨人がV9を達成。テレビでは『子連れ狼』がはやった。

 この人気ドラマからは多くのフォロワーが生まれた。脚本家・三谷幸喜が『古畑任三郎』でコロンボへの敬意を示したのは有名だが、その後に現れた中年のおじさんを主人公にしたいくつかの人気ドラマにもその影響が見て取れる。若い派手なアクション刑事も捨てがたいが、さえない中年が静かに事件を解決していくカタルシスは、いつの時代にも心地よいのだ。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和48(1973)年の流行歌〉 「神田川」(南こうせつとかぐや姫)「なみだの操」(殿さまキングス)「あなた」(小坂明子)

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