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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】2019年の最注目ニュースは「香港の民主化運動」 自由と独裁の戦いこそが注目すべきニュースだ (1/2ページ)

 元号が「令和」に変わった歴史的な年も残すところ、あとわずかとなった。この一年を振り返ると、私が一番注目すべきと思うのは「香港の民主化運動」だ。米国では「3万5000フィート上から見る」という表現を使うが、客観的にみても、首相主催の「桜を見る会」や、芸能人の逮捕ではなく、「香港」こそが最重要ニュースだろう。

 米誌タイムは先日、伝統的に続く「今年の人」(パーソン・オブ・ザ・イヤー)に、気候変動対策を訴えるスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)を選んだ。

 しかし、真に選ぶべきは、世界各国の首脳にケンカを売る少女ではなく、今も「自由」「民主」「人権」「法の支配」を求めて警察に立ち向かっている香港市民ではないのか。

 「逃亡犯条例」改正に端を発した抗議活動は、現在も緊迫した状況が続いている。SNS上では、香港警察による暴挙の数々が投稿されているが、現地で内情を詳しく知っている世界のメディアは意外と静かだ。中国の顔色をうかがいながら報道しているのは、習近平国家主席を刺激して、人民解放軍による「第二の天安門事件」が実行されることを、避けたいからだと思う。

 しかし、香港でのデモを弾圧する動きは、「民主主義への挑戦状」をたたき付けているのと同じだ。世界はもっと中国の動きに危機感を持たなければならない。

 習主席は2018年3月、「習近平思想」を理念に含んだ憲法改正を断行した。中国の「皇帝」となった習氏は、香港返還から50年間(2047年まで)、高度な自治を保障していた「一国二制度」の約束を簡単に破ってみせた。

 だが、これは裏目に出たようだ。

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