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【高橋洋一 日本の解き方】75歳以上の医療費負担増問題 保険原理では引き上げ必要も、細やかな配慮で議論すべきだ (2/2ページ)

 医療費は、終末期医療に少なくない金額がかかっているのは事実である。また、医療費の話とは別に、人生において終末期をどのように過ごすかは重要問題だ。

 終末期の患者が家族や医師と話し合って治療方針を決めることを、厚労省は「人生会議」と称している。この名称の是非は別としても、人が自分の人生に関し、どういう医療や介護を受けたいのか、どういう死に方をしたいのかといったことを日常的に家族や知人、医療関係者などと語り合っておくことを否定する者は少ないだろう。

 これはACP(アドバンス・ケア・プランニング)として必要性が指摘されている。しかし、「人生の最終段階における医療に関する意識調査結果」によれば、ACPをよく知っている人はわずか3・3%で、終末期における医療について家族と詳しく話し合ったことがある人の割合も2・8%だった。

 そこで11月26日、同省は「人生会議」の啓発ポスターを作成したが、批判を受け自治体への発送を中止した。医療費負担増への理解はいまだに不十分だと言わざるを得ない。医療で多様な意見があるのは当然であり、より細やかな配慮が望まれる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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