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首都エリート層も配給停滞…金正恩「経済困窮」の末期症状 (1/2ページ)

 高層ビルが立ち並ぶ北朝鮮の首都・平壌。市民の生活レベルは、北朝鮮のどの地域より高く、中進国の水準にあるとも言われている。他の地域では崩壊状態にある配給システムも、平壌ではなお、どうにか稼働していると言われてきた。

 ところが、最近になってその平壌でも、配給が途絶えがちだとされる。

 平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えたところによると、最近の配給内容と言えば、先月にトウモロコシ8割と、ベトナムが今年6月に援助物資として送ったものと思われる、インディカ米2割を混ぜたものが15日分出た程度。それも3ヶ月ぶりのことだ。

 「住んでいるだけで特権層」とされる平壌市民ですら、この程度しか配給がもらえないということは、北朝鮮の食糧事情の深刻さを表していると言えるが、これも250万人の市民すべてがもらえたわけではないようなのだ。

 北朝鮮で配給は、所属する工場、企業所、機関を通じて受け取ることになっている。今回、配給されたのは実際に勤めている本人の分だけで、家族の分までは配られなかった。それでも、もらえるものはもらっておこうという人々が長蛇の列を成したという。

 配給におけるもう一つの基準は「居住地域」だ。どうやら、郊外に住んでいる人は配給をもらえていないようなのだ。平壌に住めるのは、成分(身分)がよく、思想的に問題がないと当局からお墨付きをもらった「選ばれし者」だけだが、その中でも差別がある。

 平壌市は、18の区域と2つの郡から成るが、「30号対象」と呼ばれる市内中心部の6区域、「410号対象」と呼ばれる残りの12の区域と2つの郡のうち、配給がもらえたのはどうやら市内中心部だけだったようなのだ。

 平壌市管理法は、次のように定めている。

 

 第31条(居住承認) 地方から平壌市に、周辺地域から中心地域に(引っ越して)居住しようとする公民は、該当機関の居住承認を受けなければならない。

 つまり、同じ平壌市内でも許可を得なければ自由に引っ越しできないということだ。東京に例えると、山手線の外側から内側に引っ越す場合には、都の許可が必要になるということだ。金正恩党委員長やその家族、朝鮮労働党や政府機関の幹部など特権層、富裕層が多く住む地域には、選びに選びぬいた人しか住まわせられないということなのだろう。配給がもらえたのは、そんな人々だけのようだ。

 (参考記事:北朝鮮の首都「薬物中毒・性びん乱」で汚染の危機

デイリーNKジャパン

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