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【昭和のことば】どれを思い浮かべるかで世代が分かれる「コカ・コーラ」の宣伝文句 スカッとさわやか(昭和37年)

 コカ・コーラの宣伝文句である。秀作も多いコーラのCMは、「アイ・フィール・コーク」「イエス・コーク・イエス」「ノー・リーズン」など、どの宣伝文句を思い浮かべるかで世代が分かれる。

 この「スカッとさわやか」は、昭和37(1962)年10月から流れ始めたCMソングからの流行語である。前年の貿易自由化で大量に輸入され始めたコカ・コーラは、当初は「仁丹臭い」「酔っ払う」などの酷評もあったが、このキャンペーンによって国産のラムネを駆逐、若い男性を中心に一気に人気商品となった。

 この年の主な事件は、「東京が世界初の1000万人都市へ」「日本電気、国産初の大型電子計算機発表」「テレビ受信契約者数1000万人突破」「大日本製薬、サリドマイド系睡眠薬の出荷停止(サリドマイド事件)」「堀江謙一、小型ヨットで太平洋を横断、サンフランシスコに到着」「三宅島、22年ぶりの大噴火」「北九州・若戸大橋開通」など。

 この年の映画は『キューポラのある街』。本は北杜夫の『楡家の人びと』、司馬遼太郎『竜馬がゆく』。テレビでは、『てなもんや三度笠』やアメリカのドラマ『ベン・ケーシー』がはやった。

 キャンペーンは、イメージ先行型商品CMのさきがけとなった。このことばのインパクトは強く、なにかもやもやした「気分の物足りなさ」を補うかのように、みんなこの「スカッとさわやか」を求めた。生活に刺激を追い求める若い人はもちろんのこと、パパママたちも自宅でコーラ、酒に代わる嗜好(しこう)品としてたまの刺激を求めた。うちの母親は今でも、冬の乾燥した時期になると暖房のよく効いた部屋で、「何かスカッとしたものを飲みたいわ」などと言っている。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和37(1962)年の流行歌〉 「可愛いベイビー」(中尾ミエ他)「王将」(村田英雄)「いつでも夢を」(橋幸夫、吉永小百合)

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