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【高橋洋一 日本の解き方】「英語民間試験」混乱の背景に文科省政策に絡んだ「天下り」 3年連続の不祥事となるか (1/2ページ)

 英語民間検定試験に関し、実施団体の関連法人に旧文部省次官らが再就職していたと野党が追及した。問題の背景に何があるのか。

 先日の本コラムで、英語民間試験について、必要性は理解できるが、新しいことを国公立大だけでなく私学まで広げようとして、文部科学省の官僚の実務能力を超えたのが問題だと書いた。

 対象大学が広がるとともに、民間試験についても、当初TOEFLから議論がスタートしたが、国内の民間試験法人のものも対象にするという形で、徐々に広くなっていった。

 英語試験の改革という大きな方針は政治家が打ち出してもいいが、細部の政策になると実際には官僚が作る。実は、その細部のところに、天下りが深く関係してくるのだ。

 一般に、良い方向でスタートした政策が、そのうち天下りのために行われるようになったというものも少なくない。

 今回の英語民間試験でも、対象は国公立から私学まで、同時に試験もTOEFLから国内の民間試験まで広がると大きなビジネスになる。

 大学共通テストの受験者数は約50万人と見込まれている。英語民間試験の受験料が2回分で2万円と仮定すると100億円の市場だ。ある国内の民間試験法人は文科省と財務省の大物次官経験者の天下りを受けた。そうした天下りがあると、文科省を挙げての一大政策となる。

 しかし、天下りと大掛かりなシステムが相互に連携して肥大化すると、文科省の官僚の手に負えなくなる。その結果、文科官僚の実務能力を超えて、うまく手順がこなせず、さまざまな問題が出てくる。これが、格差なく試験を受けられるかという受験生の不安につながっているのではないか。

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