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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】火山の大噴火は世界の“色”を変える 北米と欧州でカラフルな夕日、千島列島の火山噴火が原因 (1/2ページ)

 北米と欧州で、7月から8月にかけてピンクや黄色に染まった朝日や夕日が見られた。ふだんは見られないカラフルな空だった。

 これは、はるかに離れた千島列島にある火山が噴火したせいだ。火山は千島列島の中部、やや北寄りのライコケ火山。7月22日に95年ぶりに噴火して、噴煙が1万3000メートルにまで上がった。

 ここは成層圏の高さだ。ここまで上がった噴煙は世界中を回る。噴煙に含まれる多量の微小な火山性粒子が、日の出と日の入りに太陽光を拡散させたのである。

 ライコケとは珍しい名前だが、先住民族であるアイヌが火口を見て「地獄の穴」と名づけたアイヌ語で、戦前の日本では雷古計島と呼ばれていた。ロシア語でもそのまま踏襲されている。長さと幅が2キロあまりの小さな火山島で、山頂の高さは551メートルある。

 ここは日本や東アジアから北米へ向かう航空路だ。航空路は大圏航路を取るから千島列島を通る。人工衛星が火山からの噴煙を観測して、この地域を担当する気象庁の航空路火山灰情報センターでは注意報を出した。

 じつは火山の噴煙が成層圏まで上がって世界中に影響したことは多い。たとえば、1783年の浅間山(長野・群馬県境)で出た火山灰は地球を半周してグリーンランドの氷河のボーリングで見つかったことがある。

 また、インドネシアのタンボラ火山は1815年に大噴火して、世界の気候を変えてしまった。舞い上がった火山灰は世界の気候を変え、地球に降り注ぐ太陽熱をさえぎってしまったのだ。米国北東部では異常低温となって雪や霜が6月まで見られた。欧州でも5月から10月まで長雨が続いて農作物が不作になった。

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