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【高橋洋一 日本の解き方】「京アニ」支援策と寄付税制 重要なのは自治体の責任と住民への説明、地方の創意工夫のきっかけに (1/2ページ)

 京都アニメーションの放火殺人事件をめぐり、被害者らへの寄付金を「地方公共団体に対する寄付金」と位置付け、税額控除制度を活用して寄付者の税負担を軽減する方向だと報じられている。寄付の税制一般のあり方を含めてどう考えたらいいのだろうか。

 本コラムでは、地方公共団体に対する寄付金(いわゆる「ふるさと納税」)について、再三書いてきた。これは、2007年の第1次安倍晋三政権の時に、当時の菅義偉総務相の発案で創設された。自分で選んだ自治体に寄付すると、払った住民税の一定割合までを税額控除するという制度設計については、筆者が官邸にいながら手伝ったものだ。その後、11年の東日本大震災の時に活用するため、所得税についても所得控除の対象とされている。住民税は税額控除、所得税は所得控除なので、税負担の軽減は住民税のほうがはるかに大きい。

 この制度の画期的なところは、寄付金と税額控除の仕組みを合わせているので、事実上税の使い方を国民が選ぶことができることだ。これは、政府(官僚)が税で徴収して、政府(官僚)が配分するという官僚の考え方に反している。そのため、創設の時に官僚は猛反対だったが、菅氏が政治的に説得したものだ。逆にいえば、国民は自分が払う税の一部の使いみちを決めることもできる。その意味で、新たに寄付するときと比較すれば、負担の軽減になるともいえる。

 東日本大震災の時、困っている自治体に寄付したいという人が多かった。そこでふるさと納税は大いに活用された。

 ふるさと納税の返礼品について、総務省は新たな規制を設けた。しかし、筆者らが創設した当時の考え方は、地方自治体の財政支出だから各地方自治体の責任で行うべきで、総務省が上から目線で全国画一的に規制すべきでなく、その権限もないというものだった。

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