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【昭和のことば】近年若者たちの間でブーム 韓国でも見直されている?「もんぺ」(昭和13年)

 近年若者たちの間で、もんぺファッションがきている。「もんぺは日本のジーンズだ」とするキャンペーンまで存在するらしい。

 もんぺは足首をくくる股引型の袴で、もとは寒冷地方の防寒着であったが、簡素で活動的なため大いに推奨され、やがて忍び寄る戦時体制のなかで、「女性はもんぺに防空頭巾、男性はゲートル姿」しか許されないような世相となった。

 この年の主な事件は、「政府、『国民政府を相手とせず』と声明」「大内兵衛・美濃部亮吉ら労農派教授グループ検挙(第二次人民戦線事件)」「国家総動員法公布」「満州移住協会、開拓義勇団に嫁ぐ『大陸の花嫁』2400人募集」「商工省、物品販売価格取締規則公布(公定価格制度の確立)」「張鼓峰で日ソ軍衝突。後、日ソ停戦協定成立」「夕張炭鉱でガス爆発」「近衛文麿首相、東亜新秩序建設を声明(第二次近衛声明)」など。

 この年の映画は『太陽の子』『愛染かつら』。本は窪川いね子『くれなゐ』、草野心平『蛙』、小川正子『小島の春』。支那事変など、大陸との関係が悪化。この年、軍の侵攻などに伴い、落語家・漫才師の戦線慰問団「わらわし隊」、横山エンタツらの第一陣が出発した。

 確かにもんぺというと、(それを描写した漫画や映像作品などを含め)戦中戦後の時期を連想する。そのように戦時の色がついてしまったモノや文化が新たな視点によって浄化されていくことには賛成だ。

 このもんぺ、(日本が戦時中に履くことを強要した)韓国でもレトロファッションとして見直されているらしい。巷ではいろいろと議論やかましい日韓関係だが、政治を超えたファッションや文化のたくましさを表す、ひとつのエピソードなのかもしれない。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和13(1938)年の流行歌〉 「勝利の日まで」(軍歌)「ラバウル小唄」(軍歌)「同期の桜」(軍歌)

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