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【富坂聰 真・人民日報】香港デモ、中国共産党“静観”のウラ 新たな地方トラブルの発展警戒か (2/2ページ)

 こんな言い方をすると中国の陰謀史観かと笑い飛ばしたくなるが、実際、2014年にはハドソン研究所の上級研究員・マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)が米フォックス・ニュース(Fox News)のインタビューで、「(中国の言い分は)まったくの間違いではない」という表現ながら、香港の政治問題にアメリカが影響を与えている事実を認めている。

 各地の民主主義を保証するための資金、NED(national endowment for democracy)を通じた資金も提供されていることにも言及しているのだ。

 香港のデモが起こったことで、劣勢だった台湾の蔡英文総統の再選にも曙光(しょこう)が差し始めたように、ファンタジーだけで終わらないのが香港の問題だ。

 中国は、この問題で変に強行に出れば台湾独立派を利するだけでなく、トランプ政権と対極に立ち、多国間主義を打ち出してつくりだしたソフト路線にも傷がつきかねない。だからこそ、慎重に対応しているのだ。

 だが、なかでも注目すべきは、香港が新たな地方トラブルの最右翼になることへの警戒だ。

 香港の人々が「逃亡犯条例」に反応したのは、条例への恐怖よりも、象徴的な意味が大きい。言い換えれば累積した中国への不満というガスに引火させた最後の火花ということだ。

 裏側にあるのは香港の地盤沈下である。

 この先、香港の光はどこにあるのか。存在意義が問われていることを皆知っている。そして経済的基盤はさらに中国へと依存せざるを得ない。そのフラストレーションに対する反発であり、中国はいずれ香港に補助金を出すことを視野に入れなければならないかもしれないのだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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