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【昭和のことば】エコロジー運動の先駆け…作家・有吉佐和子の小説のタイトル「複合汚染」(昭和50年)

 「複合汚染」とは作家、有吉佐和子の小説の題名である。農作物には化学肥料、防腐剤、着色料が使用され、それらひとつひとつの毒性に加え、これが複合的に人体に悪影響を及ぼしていくという実態を、ルポルタージュ形式で報告した大作である。

 駄菓子の着色料、増え続ける食糧需要対策としての農薬使用。戦後復興から先、あまりにも手薄だった環境や健康への配慮。イケイケの高度経済成長期に沸き起こった、エコロジー運動の先駆けである。

 この年の主な事件は、「新幹線、岡山-博多間開業で、東京-九州が直結」「ベトナム戦争終結」「エリザベス英女王夫妻来日」「暴走族600人、鎌倉七里ガ浜で乱闘」「東京江戸川区の埋め立て地で、六価クロム汚染問題化」「皇太子ご夫妻、沖縄を訪問」「沖縄国際海洋博覧会開催」「日本赤軍、クアラルンプールの米・スウェーデン両大使館を占拠」「興人、会社更生法を適用。戦後最大の倒産」「天皇・皇后両陛下、訪米に出発」「『ワタシつくる人ボク食べる人』の即席ラーメンのCM、男女差別と非難され放映中止」など。

 プロ野球広島が、26年目の初優勝、世間は赤ヘルブームに沸いた。

 小説家の直感と広汎な調査。本の宣伝文句では、このようにうたわれている。多くの人が気づいていないことを、ことばを駆使し問題提起をしていく。作家も作家らしかった時代というべきか。

 生まれてくる子供たちのために環境を守れ。当たり前のことが衝撃的に受け入れられた。複合汚染は、そんなきっかけのことばであった。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和50(1975)年の流行歌〉 「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)、「シクラメンのかほり」(布施明)、「我が良き友よ」(かまやつひろし)

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