記事詳細

「警備怠った」被害女性が都やファンの男提訴 小金井刺傷事件

 東京都小金井市で平成28年5月、音楽活動をしていた冨田真由さんがファンだった岩崎友宏受刑者(30)=殺人未遂罪などで実刑確定=に刺された事件で、冨田さんと母親が10日、警視庁の対応に不備があったとして都や所属していた芸能事務所、岩崎受刑者に計約7600万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 事件は28年5月21日、小金井市内のライブハウス付近で発生。出演予定だった冨田さんが岩崎受刑者にナイフで刺され、一時意識不明となった。

 訴状などによると、岩崎受刑者は事件前、冨田さんのツイッターなどに頻繁にコメントを書き込み、冨田さんが武蔵野署に相談。冨田さんは署員に「殺されるかもしれない」と訴え、ライブの予定も伝えたのに、同署は本部のストーカー事案の専門部署に報告せず、岩崎受刑者に警告もしなかったとしている。

 また署員は、ライブ当日は会場を「必ず見回る」と冨田さんに伝えたのに見回りをせず、「必要な警備を怠るなどし、本来防げた事件を防げなかった」と主張している。

 警視庁は事件後に謝罪したが、代理人弁護士によると冨田さん側が求めてきた署員からの直接の説明は得られていないという。

 冨田さんは今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに苦しんでいるといい、「警察の対応のずさんさが明らかにされることで、ストーカーに対する見方や対応がさらに変わってほしい」などとする文書を公表。提訴後に会見し、応援してくれた人に「心強い言葉やあたたかい支援に、とても救われていました」と謝意を述べた。

 警視庁訟務課の島貫匡課長は「訴状が送達されていないのでコメントできない」としている。

(産経新聞)