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【中朝首脳会談】韓国、中国の積極介入に期待 存在感低下は懸念

 【ソウル=名村隆寛】中朝首脳会談について韓国政府は「朝鮮半島の完全な非核化交渉の早期再開と平和定着に寄与することを期待する」との立場だ。一方で、習近平国家主席が訪朝前日に朝鮮労働党機関紙、労働新聞への寄稿で「朝鮮半島問題の対話による政治的解決を北朝鮮と共に推進する」と表明したことへの評価は控えており、期待と懸念を抱きつつ会談を注視している。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の終了後、訪韓するトランプ米大統領との会談に臨む。文氏はこれに先立ち北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長との南北首脳会談や、習氏を韓国に招いての中韓首脳会談を念願していた。

 だが、文氏は中朝双方から会談を拒まれたかたちで、一連の首脳会談の計画は事実上、崩れた。自任してきた「米朝の仲裁者」の役割は薄れ、北朝鮮への影響力低下は否めない。

 現状で韓国は、中朝首脳会談を機に、停滞状態が続く非核化交渉の回復を期待している。北朝鮮の非核化に向けた進展があれば「いくらでも歓迎できる」(中央日報)との立場だ。

 ただ、習氏は寄稿で金正恩氏への支持を明らかにし、北朝鮮との関係を強化し影響力を誇示する構えを示している。中国が朝鮮半島問題に積極的に介入し、解決への主導権を握る可能性が浮上する一方で、韓国が中朝露と日米の間で一層曖昧な存在になることへの懸念も指摘されている。(産経新聞)