【桂春蝶の蝶々発止。】川崎20人殺傷事件、犯人への怒りと社会への不安… こんな時、宗教は何を伝えられるのか (1/2ページ) 桂春蝶の蝶々発止。
私の娘はキリスト教系の学校に通っています。いわゆる「心の教育」を大切にする環境の中で学んでいる娘ですから、親として教えられることは何かと多いんですよね。
数年前、ある国で大きなテロ事件があって、100人以上が亡くなられました。私はテレビに向かって思わず、「こんなとき、人はどうしたらいいのかなぁ?」と言いました。すると、小学1年生だった娘が私の手を握って、「パパ、それをずっと考え続けるのが、大人のやることじゃないかな?」と言ったんです。
私は聞きました。
「じゃあ、子供はどうするの?」
「子供はね、ずっと祈り続けるの。だから私は祈りながら寝るので、そろそろテレビ消してくれるかな?」
こう言われて、慌ててテレビを消したことを覚えています。
神様がいつも側にいてくださる。その安心感の中で、子供たちはすくすくと成長し、思いやりや真心を育む…。それが宗教校の良さだと思っています。
しかし、その「祈る」という概念すら、もはや不毛で無意味ではないかと思ってしまう事件がありました。
川崎市多摩区の路上で、私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた児童と保護者が、刃物を持った男に次々と襲われた事件です。計20人が被害に遭い、2人が亡くなりました。犯人の岩崎隆一容疑者は、自ら首を刺した後に警察に身柄を確保されましたが、その後、死亡しました。