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【編集局から】北朝鮮による拉致被害者全員を取り戻す…令和に生きる私たちの務め

 30年余り続いた平成が終わり、令和が始まりました。平成という時代について、多くの人は平和だったと感じているようです。実際、NHKの世論調査でイメージを聞いたところ、「戦争がなく平和な時代」が79%に上ったそうです。

 確かに、日本が当事国となった戦争はありません。しかし、世界ではこの間、戦争や紛争が頻発していました。視野を広げれば、決して平和だったとはいえない時代だったのです。

 平成の日本が平和だったとも思えません。北朝鮮によってさらわれた日本人拉致被害者全員を取り戻すことができなかったからです。

 政府が認定する拉致被害者17人は1977~83年に連れ去られています。いずれも事件が起きたのは昭和のことです。北朝鮮という国家の犯罪で拉致された日本人を救出するのは、日本国家の責務です。しかし、平成が終わるまでに取り戻せたのは5人だけ。拉致の可能性を排除できない人もいるため、事件の全貌は今も分かりません。そんな時代が平和だったとはとても思えません。

 自分やその周囲さえ平和ならいい。どこかに、そんな考えがないでしょうか。北朝鮮での暮らしを強いられている被害者の今に思いをはせ、できるだけ早く取り戻すことが、令和に生きる私たちの務めと感じています。(報道部・森本昌彦)