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【山口那津男 本音でズバッと】人々を魅了した野球に向かう“姿勢”と“生き方” イチロー選手「国民栄誉賞」にふさわしい (1/2ページ)

 米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手(45)が、日米通算28年目の選手生活にピリオドを打った。記録にも、記憶にも残る偉大な選手だった。50歳まで、現役でのプレーを期待するファンが多かっただけに惜しまれてならない。

 日米で、球史を塗り替える記録を刻んだ。日本では、振り子打法を確立して、7年連続の首位打者。米国では、移籍初年にリーグMVP、新人王、首位打者を独占し、10シーズン連続で200本安打を達成した。日米通算で、4367安打を放ち、ピート・ローズが持つ4256本の大リーグ記録を抜いた。

 イチロー選手のプレーは打撃だけではなく、「レーザービーム」と称された送球で走者を刺す強肩ぶり、「忍者」と呼ばれた巧みな走塁や滑り込みなどの走力でも、一段と光るものがあった。

 人々を魅了するのは、そうしたプレーを生み出すストイックなまでの野球に向かう姿勢であり、生き方である。記録を打ち立てたからといって有頂天にならず、次の目標へひたむきに進む。日米通算で4000本安打を達成したとき「4000を打つには、8000回以上の悔しい思いをしてきた」と語り、その後、367安打を上乗せした。

 オリックス時代、阪神淡路大震災に遭遇し、「がんばろう神戸」を合言葉に、優勝の立役者となって市民を励ました。大リーグでも、シャープな体形を保ち、スピード感あふれるプレーは、ある種の神々しさを醸し出した。晩年の会見では「人が喜んでくれることが、自分にとっても一番うれしいことになった」とも述べている。

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