記事詳細

北海道ローカル駅の実態 名作「塩狩峠」の舞台も存亡の危機に (1/2ページ)

 北海道ではここ数年、利用者減を理由に廃線や廃駅が相次いでいる。特急列車の車内販売サービスも3月末で打ち切りになる。北の大地の鉄路はこのまま縮小を続けるのか。雪に閉ざされた名作『塩狩峠』の舞台で、利用者がいない北海道のローカル駅の実態を見た。(小牟田哲彦)

 旭川から日本最北端の稚内へ向かう宗谷本線のローカル列車で北へ約40分のところに、塩狩という駅がある。特急列車はすべて通過してしまう、鬱蒼(うっそう)とした林に囲まれた小さな駅だ。

 この無人駅の知名度を全国区にしているのは、映画にもなった三浦綾子の小説『塩狩峠』である。明治時代にこの地で発生した列車事故を題材にしたこの小説は、発表から50年以上経った今も不朽の名作として読み継がれ、作品に感銘を受けてこの駅を訪れる読者も多い。

 実は私自身もその1人で、『塩狩峠』を読んで高校時代に東京からわざわざこの駅にやってきて、駅付近の温泉旅館に滞在した。27年前の私事である。

 その名作の舞台に、廃駅の可能性が取り沙汰されている。周辺の過疎化が進行した同駅は1日の平均利用者数が1人以下の「極端にご利用の少ない駅」となっており、JR北海道が駅の管理方針の見直し対象に挙げているのだ。

 そして、昨年6月に同社が発表した「経営再生の見通し(案)」には、「ご利用の少ない無人駅の廃止」が今後の課題として明記されている。

関連ニュース