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東日本大震災から8年…「傾聴喫茶」続ける住職 被災地巡り、心寄り添う「時間かければ再び立ち上がってくれる」 (1/2ページ)

 東日本大震災から8年がたった。宮城県栗原市の曹洞宗・通大寺住職、金田諦応(かねた・たいおう)さん(62)は、宗教や宗派の違いを超えて、無料で同県内の被災者の悩みに耳を傾けて回る傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を続けている。

 「3年ぶりですが、皆さん、若返ったね」。津波被害の大きかった宮城県石巻市。沿岸部の小さな集会所に集まった地元住民約20人を前に、金田さんがちゃめっ気たっぷりに語り掛けると、笑い声が湧き起こった。

 震災から約2カ月後に傾聴喫茶を始め、今も毎月のように、妻や仲間とともに被災地の集会所などを巡っている。

 モンクは英語で「お坊さん」を意味し「お坊さんもあなたの『文句』を聴きながら一緒に『悶苦』します」がうたい文句。BGMにジャズを流し、コーヒーやケーキを振る舞いながら、方言交じりで一人ひとりに声を掛け、最近の出来事や津波で亡くなった家族の思い出話などに耳を澄ます。

 「被災者の人たちとやっとお互いに笑い合えるようになった。でも皆、あの時のことになると目が真剣になる」と金田さん。「傾聴を続けても結果が出ないこともあります。ただ結び目をほどくようにゆっくりと時間をかければ、いつか再び立ち上がってくれると信じています」と語る。

 活動は手探りの状態で始まった。自身の寺は内陸部にあって津波被害を免れたが、次々と遺体が運ばれてくる火葬場で読経ボランティアを志願し、四十九日に当たる日には仲間の僧侶やキリスト教の神父に声を掛け、沿岸部を追悼行脚した。

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