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【勝負師たちの系譜】杉本八段と藤井七段の“師弟昇級”ならず… 9勝1敗でも昇級できぬ辛さ (1/2ページ)

★順位戦(6)

 3月は順位戦の最終局が行われ、1年間の成績で、各棋士の格が決められる。

 まず1日にトップを切って、A級の最終局が静岡市で行われた。

 以前は順位戦が将棋会館以外で指されるなど考えられなかったが、静岡市が名人発祥の地ということで誘致し、今回は昨年に続いての対局だ。私は地元出身ということもあり、立会人として同行した。

 A級棋士全員と、解説者で佐藤天彦名人が揃うとあって、前夜祭や解説会の抽選は倍率が高く、当たらないと嘆いていたファンも多かった。

 この時点で、豊島将之二冠がトップ。最終局の久保利明九段戦に勝てば挑戦者だ。負ければ広瀬章人竜王-羽生善治九段戦の勝者とプレーオフという状況だった。

 私は5部屋のうち、広瀬-羽生戦の開始を見届けた。当然ながら上座に竜王の広瀬が座る光景を見て、つくづく昨年の竜王戦の最終局の重さを感じたものだった。

 5局で一番早く終わったのが、深浦康市九段-糸谷哲郎八段戦。深浦は残念ながら敗れて降級となった。彼は根性の棋士で、残り1分まで頑張ったが、糸谷が早指しだから終局が早いのだ。

 この結果、三浦弘行九段は負けても降級は逃れたが、深夜まで指して勝利した。

 反対に降級が決まっていた阿久津主税八段は、佐藤康光九段に勝って、A級初勝利。最後詰ます時に、阿久津の指が震えていたのが印象的だった。

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