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【東日本大震災から8年 忘れない、立ち止まらない】誰かに受けた恩を、また別の誰かへ… 若い世代に受け継がれる「恩送り」の精神 (1/2ページ)

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 大津波で壊滅的な被害を受けた地域の中学生たちに取材すると、彼らがよく「恩送り」という言葉を口にすることに気が付く。

 「恩送り」…「ペイ・フォワード(Pay forward)」。誰かに受けた恩を、また別の誰かへと手渡し、優しさの裾野を大きく広げていくという概念である。

 現在、岩手県陸前高田市には2つの中学校があるが、両校ともに社会奉仕・貢献活動が盛んだ。中でも、他の災害被災地支援は活発で、震災や豪雨によって各地に被害が発生するたび募金活動が行われる。

 そうした活動とともに、「恩送り」という言葉も、代々先輩たちから受け継がれているのだ。

 今年2月、生徒らが西日本豪雨被災地のために行った募金活動に対し、「小さな親切」実行章が贈られることになり、中心になった3年生の女子2人が取材に応じてくれた。

 被災したのは小学校1年生の時と聞き、「ああ、あの子たちがこんなに成長して」と感慨にひたりながらも、私の中に「7歳では、ほとんど震災の記憶もないだろうに、よく」と、“見くびる”ような気持ちがなかったとはいえない。

 だが、「世界中の人から助けてもらったことは、一生忘れられない経験です」という生徒の言葉に、思わずメモ帳から顔を上げた。はにかんでうつむきがちだった子が、この時だけはきっぱりと顔をあげており、私と目が合った。「だから、自分がしてもらった分、恩送りしたい」。

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