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【富坂聰 真・人民日報】米圧力が中国の「宇宙開発」を促進 困窮政策単独では効果は限定的 (1/2ページ)

 米中貿易戦争の結果、何か起きるのか--。

 先週に引き続いて考えてみたい。

 アメリカの攻勢に対し中国が防戦一方に追いやられ苦戦することは予想に難くない。だが、それが理想的な結果を招くかといえば「疑問が残る」という視点から、中国の宇宙開発を例に話を進めてきた。

 まだ貧しかった1980年代から技術を積み上げ、90年代半ば過ぎからやっとビジネスとして軌道に乗せた衛星打ち上げだったが、そこに鉄槌を打ち下ろしたのがアメリカだった。

 理由は、中国への軍事(転用可能な技術も含む)技術流出の疑いである。

 米議会は疑惑を受け、クリストファー・コックス下院議員を委員長とする特別委員会を設置、98年に報告書を出した。いわゆる「コックス報告書」である。

 内容は、中国が自ら構築したスパイ網を通じてアメリカから核や軍事に関する機密を盗み続けていて、現在もそれが続いている-。

 中国に開かれていたアメリカの門はピシャリと閉じられてしまった。

 アメリカは、民間を含め中国に衛星の打ち上げを依頼することを実質的に禁じた。それだけではない。中国が製造するロケットや衛星にアメリカ製の部品を使用することも禁止したのである。

 当時、アメリカが衛星の打ち上げ、保有、また生産国として圧倒的な地位にあったことは言うまでもない。中国にしてみれば絶望的な状況だ。

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