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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】部下の力量を見誤らない「眼力」 (1/2ページ)

★「親分力」の磨き方(8)

 上司として、たとえ気に入らぬ部下、周囲の人物であっても、その力量を冷静、正当に評価できる「眼力」があるかという話である。

 田中角栄は後年、自らの権力温存のためもあり、竹下登、中曽根康弘の2人には警戒心を崩さなかった。しかし、ひそかに、その力量は高く評価していた。そのうえで、時に田中にゴマをすり、この両者をバカにしたような発言をする若手議員を、強く諫(いさ)めるのが常であった。

 竹下については、こんな話がある。田中は田中派幹部で政策能力も高い竹下を、自らの政権下では筆頭副幹事長と官房長官のポストには就けたが、それ以上は“優遇”しなかった。首相退陣後、「闇将軍」として以後の政権に影響力を発揮する中で、大平正芳内閣と中曽根内閣でようやく大蔵大臣に推挙したといった具合だった。

 竹下の大蔵大臣は都合3期だったが、田中派内の親竹下議員の若手から、こんな不満が田中にぶつけられたのだった。

 「オヤジ(田中)さん、早く竹下さんを幹事長にしてくださいよ」

 このとき、田中は顔を真っ赤にして、この若手議員に言った。

 「ワシは、オメェらみたいに竹下を安っぽく使う気はない。大蔵大臣を何回もやってもらっているのは、将来、自民党を背負って立つ人物だからだ。国を束ねるのに、財布の中身を知ってねェでできやせん。幹事長は、それからだ。オメェらは、何も分かっていない。顔を洗って出直してこい。帰れッ」

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