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【東日本大震災から8年 忘れない、立ち止まらない】7割利用予定がない「土地区画整理事業」 (1/2ページ)

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 まずは、この写真にご注目いただけるだろうか。

 海沿いの大地は土がむきだしのまま。建物らしきものはほとんど見当たらない。岩手県最大の津波被害を受けた、陸前高田市の中心部をとらえた空撮だ。

 次に、「いつ撮られたものだと思いますか」とお尋ねしたい。震災翌年? それとも5年後? おそらく、「被災直後の光景です」と言っても信じてもらえる気がする。

 だが、実際にこれを撮ったのは今月、ほんの10日前のことだ。

 被災市街地を復旧させ、都市基盤と住環境を整備し直すため、この写真に写るエリアは「土地区画整理事業」によって、まちづくりが進められてきた。

 しかしながら、ご覧の通り、事業は今も途上にある。陸前高田は広範囲かつ壊滅的に市街地が失われたこともあり、同事業による宅地完成の完了は、国の復興・創生期間最終の2021年3月までかかる見込みとなっている。

 宅地造成に費やされる遠大な時間は、また別の課題も生んだ。

 被災者がほかの場所で住宅再建を果たすなどし、いざ事業区域内に換地されても、土地を持て余すケースが多いのだ。地権者への意向調査の結果、ここに見える土地のうち実に7割近くで利用予定がない。

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