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会談失敗の噂拡散 金正恩氏、中国への借り残す列車行 (1/2ページ)

 北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が2回目の米朝首脳会談とベトナム公式親善訪問を終えて帰国したと報じた。2月23日に専用列車で平壌をたってから10日ぶり。中国大陸を往復8千キロ余り、5日半かけて往復した専用列車は、金氏にとって米朝首脳再会談を演出する大掛かりな舞台装置だったはずだ。しかし、会談が物別れに終わったことで、会談前後の貴重な時間をロスさせた鈍重な乗り物と化し、中国に多大な借りだけを残す結果となった。

 専用列車が平壌駅に入ると「万歳」の歓呼が空いっぱいにこだました-。朝鮮中央通信は、金氏の未明の帰国に歓喜する市民らの様子をこう伝えた。党幹部らが「祖国の繁栄と人民の幸福な未来のために2万里(約8千キロ)余りを行き来して不眠不休の対外活動を展開した最高指導者」を熱烈に迎えたとも強調した。

 だが、公式報道で「成功」を取り繕おうとしてもほころびは見え始めている。米政府系メディアによると、北朝鮮国内に「制裁解除を求めたが、米大統領が断り、成果なく会談が終わった」との噂が急速に広まり、当局が取り締まりに乗り出しているという。「3日間も列車に乗って訪越したが、恥をさらしただけ」との住民の声もある。

 北朝鮮は会談直前の実務者協議で具体的な制裁解除項目を米側に示したとされ、現場との連絡が滞る移動中の3日間が致命的な時間のロスとなった可能性がある。帰りも2日半を無為に浪費したことになる。