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【東アジアの動乱と日本の針路】米朝が「現状維持」選んだワケ 表裏一体の北と中国…正恩氏に「方向転換」兆候も (1/2ページ)

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 ベトナムの首都ハノイで行われていた2回目の米朝首脳会談は、「北朝鮮の非核化」で合意に至らず、事実上決裂した。ともかく、ドナルド・トランプ米大統領が安易な妥協をしなかったことは、日本にとって朗報である。

 トランプ氏は2月28日の記者会見で「北朝鮮はすべての制裁解除を要求したが、拒否した」「寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄だけでは不十分だ。制裁は今後も維持する」と述べ、エアフォースワン(大統領専用機)で、いち早く帰国した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との次回会談は未定だという。「交渉決裂」とはいうものの、双方が現状維持を選んだのだ。北朝鮮は核とミサイルの実験は再開しないし、米国も北朝鮮をすぐに軍事攻撃するわけではない。

 トランプ氏が、北朝鮮の非核化を急がない理由は何だろうか。米国にとって北朝鮮問題は、チャイナ(中国)問題と表裏一体である。中国への経済制裁による締め上げが、北朝鮮制裁にもなっているということだ。

 中国共産党の戦略からすれば、米国に自国を攻撃されないために、北朝鮮問題を利用してきた。つまり米国が北朝鮮に集中すれば、中国は漁夫の利を得られる。中国からすれば、米国が北朝鮮という小さな石につまずくことを狙っていたのだ。

 トランプ氏は「北朝鮮と中国は一体だ」と見抜いた。つまり、中国が支えているから北朝鮮が国際社会のルールを破って、暴れ回ることができたのだ。中国経済を締め上げれば、北朝鮮を厳しい立場に追い込める。

 このままでは北朝鮮の未来はない。正恩氏が本気でサバイバルを考えるならば、中国と縁を切り、米国サイドに寝返るしかないだろう。

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