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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】部下に率直で素直! 物事の割り切りも早い (1/2ページ)

★「親分力」の磨き方(6)

 田中角栄がエリート中のエリート、部下である大蔵官僚を“懐柔”できた背景は、蔵相として大蔵省の言い分を政治的に通してくれる能力、腕力があったことが第1だった。加えて、官僚が上司としての田中の人間性に、親近感を覚えたことも大きかったのだった。

 ここで言う人間性とは、実力者であるにもかかわらず、部下に対して率直、素直、発想の切り替えができる性格であり、粘着質ではなかったことを指す。こんなエピソードがある。

 蔵相になって間もなく、田中は大蔵省幹部からあらかじめ受けていたレクチャーの内容を、そのまま閣議の席で話したつもりだった。大蔵省に戻った田中は、幹部たちを前に、閣議での話を得意げに話したのである。

 ところが、幹部たちは、いささか怪訝(けげん)な顔をしている。しばし沈黙が流れた後、当時の佐藤一郎官房長(=のちの大蔵事務次官、衆院議員、経企庁長官)が、やおら口を切った。

 「大臣、いまのお話では、私どもが事前に差し上げた資料ならびに、ご説明したものと相違しております…」

 田中の顔色が、みるみる変わったのである。佐藤官房長と、こんなやり取りになった。

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