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【昭和のことば】ゴーン氏逮捕劇で久々の登場 四柱推命の凶運期「天中殺」(昭和54年)

 日産のカルロス・ゴーン氏が逮捕されたとき、ネット上で「ゴーンさんは天中殺」という嘘か誠かの情報が流れていたが、このことば、ずいぶんご無沙汰な感じがしていた。天中殺とは四柱推命で言われる凶運期のことである。

 同じようなことばで「大殺界」(六星占術による運勢最悪の時期)というのもあるが、このあたりの解説には紙面が足りない。この年、易者の和泉宗章の著書『天中殺入門』など2冊が合計で300万部以上のベストセラーになり、日本における天中殺ブームが到来した。

 この年の主な事件は、「初の国公立大学共通1次試験実施」「第2次石油危機始まる」「大阪市住吉区の三菱銀行北畠支店で人質事件発生」「ガソリンスタンドの日曜・祝日全面休業開始」「第5回先進国首脳会議(東京サミット)開催」「東名高速道路日本坂トンネルで玉突き衝突事故発生。7人死亡、173台が炎上」「千葉県君津市の神野寺でトラ2頭が逃走」「上野動物園のパンダ・ランランが死去」「阿蘇山中岳大爆発、観光客3人死亡」「成田空港でKDD(国際電電)社員による高級ブランド品持ち込みが発覚。KDDの乱脈経理追求へ」「関西電力高浜原発2号機、人為ミスで原子炉運転中止」「国鉄のリニアモーターカー、走行テストで時速504キロを記録」など。

 スポーツでは、江川卓投手が巨人軍に入団決定。「協約無視」に非難が集中、「エガワる」が流行語となった。ソニーのウォークマンが発売。街ではヘッドホン姿の若者が見られるようになった。

 本来の「易」ことばが、不吉の象徴として使われた。こういうネガティブワードがはやるのは、まだ時代に成長の余裕があった証拠というのは、うがった見方だろうか。(中丸謙一朗)

 〈昭和54(1979)年の流行歌〉 「魅せられて」(ジュディ・オング)「おもいで酒」(小林幸子)「ヤングマン」(西城秀樹)

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