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【高橋洋一 日本の解き方】成長鈍化がやっと「公式見解」に 中国が大規模減税打ち出すなか、日本の消費増税は狂気の沙汰 (1/2ページ)

 中国国家統計局は、2018年の実質国内総生産(GDP)が、前年比6・6%増だったと公表した。中国をめぐっては、景気対策として実施している20兆円規模の減税をさらに上積みするとも報じられている。

 中国のGDPについては、本コラムで何度も書いたが、統計粉飾の疑いが拭えない。国際経済の変動は大きく、中国経済もその影響を受けているにもかかわらず、あまりに変動が小さすぎるからだ。

 18年のGDPも、前年比6・6%増という数字自体に大きな意味があるわけではなく、1990年以来28年ぶりの低水準ということに注目したい。

 足元の18年10~12月期の成長率は6・4%。これも、6・4%という数字ではなく、成長鈍化が中国政府の「公式見解」になったというところに意味がある。

 背景にあるのが米国との貿易戦争だ。トランプ政権は、米国への輸出に対して公約通り、高関税をかけている。これに対して、中国も関税をかけ合った。その結果、中国から米国への輸出は大きく落ち込んだ。

 もし、本当に統計数字のような微小な変化であれば、統計の誤差程度の話であり、特に経済対策は必要ないはずだが、中国経済が本当に減速しているので、中国政府は経済対策を打ち出している。

 動かしやすい金融政策では、昨年3度引き下げた中国人民銀行(中央銀行)の預金準備率をさらに1月にも引き下げ、大規模な金融緩和を行った。

 財政でも拡張政策をとっている。18年に、個人所得税等について、1・3兆人民元(約21兆円)の減税をしたが、19年には、個人所得税に加えて、増値税(付加価値税)や社会保険料の軽減も行い、減税規模も18年を上回るものにするという。

 中国国家統計局によれば、18年の名目GDPは90兆元(約1440兆円)なので、同年の減税措置は名目GDPの1・4%程度に相当する。日本に当てはめると、8兆円程度の減税規模になる。

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