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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】「ノー」と言える勇気を見直せ! 北方領土返還交渉、断固拒絶で共同声明に「領土」の文言 (1/2ページ)

★交渉術の極意(8)

 部下にとって一番困る上司とは、判断を仰いでも「イエス」「ノー」が明確に返ってこない人物である。人にゲタを預けることで、自己保身が透けて見えるということである。

 田中角栄は陳情や、私事の頼まれ事で、曖昧な返事は一切なく、受けられるものはイエス、どう判断しても無理なものはノーと、常に即断した。

 いわく、「確かに、ノーと言うのは勇気がいる。しかし、逆に信頼度が高まる場合も少なくない。なまじ『もしかしたら』の期待感を持たれ、結局ダメだった場合は、落胆、失望感は初めにノーと断られた以上に倍加する。イエス、ノーははっきり言った方が、長い目で見れば信用されるということだ。交渉事も同じ」であった。

 外交交渉での好例は、北方領土返還交渉の昭和48(1973)年10月、タフ・ネゴシエーターで知られたブレジネフ書記長との日ソ首脳会談での激しいやり取りに見られた。

 田中は本交渉の“前段”でも、昭和20(45)年8月9日に、ソ連が日ソ中立条約を破って侵攻してきたこと。中国は数百万人の抑留者を日本に送り返したが、ソ連は非道にも何十万人もの関東軍兵士をシベリア送りにしたことなど、日本人の持つソ連への許せない感情を堂々とぶつけた。

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