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【回顧2018】元陸自東部方面総監・渡部悦和氏 特筆すべきは「本格的な米中冷戦が始まった」 日本は「専守防衛」ではなく「積極防衛」を (1/2ページ)

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 2018年は、世界の安全保障の観点で歴史的な年であった。

 まず、特筆すべきは「本格的な米中冷戦が始まった」ことだ。これは、ドナルド・トランプ米大統領という、毀誉褒貶(きよほうへん)はあるが、稀有な実行力を発揮するリーダーによってもたらされた。

 バラク・オバマ、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンといった歴代大統領は、中国に対する関与政策を採用した。結果として、中国の極めて強圧的な対外政策や、不法行動をとがめることをしなかった。

 そのため、中国は知的財産権を侵害し、外国企業に対して先端技術の提供を強要し、サイバー攻撃や人(ヒューミント)によるスパイ活動によって先端技術の窃取を行い、世界第2位の経済大国と軍事大国になり、米国に挑戦し始めたのだ。

 一方、トランプ政権は、18年度の米国「国家安全保障戦略」と「国家防衛戦略」を発表し、米国の脅威対象国を中国とロシアと明示し、特に中国に厳しく対峙(たいじ)した。

 例えば、南シナ海で「航行の自由」作戦を行い、中国の一方的な主権の主張を明確に拒否した。不法な行動を繰り返す中国通信機器大手「中興通訊(ZTE)」に対する制裁を発表し、これを倒産寸前まで追い詰めた。

 また、米中貿易戦争を仕掛け、3次にわたる対中国経済制裁を発動し、危機に陥っている中国経済に、さらに厳しい打撃を与えた。

 そして、最大の衝撃は、今月1日、中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟容疑者を、カナダ当局に逮捕させたことだ。これは、「言うことを聞かなければ、本気でファーウェイを潰すぞ」というトランプ政権の意思を感じさせるものであった。

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