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氷点下20度の野外でタダ働き、若者の命を奪う「ブラックな現場」 (1/2ページ)

 北朝鮮で進められている超大型国策事業、三池淵(サムジヨン)開発。建設労働者として投入されているのは、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊や、突撃隊と呼ばれる、各地の工場、企業所、機関などから駆り出された人々からなるタダ働き素人集団だ。

 北朝鮮の建設プロジェクトの労働環境は劣悪で、様々な工事現場で死者が続出している。

 (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

 金正恩党委員長は工事の進み具合がよほど気になるのか、今年に入って3回も現場の視察を行った上で、何が何でも2年以内に工事を完成させよと指示を下した。現地はすでに氷点下20度を下回る極寒となっているが、それにもかかわらず工事の強行を命じたのだ。そんな無茶振りが、今回もまた1人の青年の命を奪ってしまった。

 (参考記事:金正恩氏の背後に「死亡事故を予感」させる恐怖写真

 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、恵山(ヘサン)市保安署(警察署)の関係者と、現場に復帰した別の突撃隊員から聞いた話として、亡くなったのは平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)から来た20代男性Aさんだと伝えた。

 Aさんは機械工場で務めていたが、三池淵に送り込まれる突撃隊の人員として選ばれた。経済的に余裕のある人は「代打労力」と言って、カネを払って人を雇い、自分の代わりに送り込むが、Aさんにはそれだけの余裕がなかったようだ。

 (参考記事:面倒な勤労動員を「代打労力」で解決する北朝鮮商人

デイリーNKジャパン

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