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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】問われる「数字と歴史」の掌握力 (1/2ページ)

★交渉術の極意(6)

 こじれそうになった交渉事を切り返すポイントは、1つに、説得力ある「数字」が用意できているか、2つに、交渉過程での「歴史」に対応できるかにある。

 田中角栄は、この2つを武器に、外交交渉など、あらゆる政治折衝、あるいは「角栄節」として知られた名演説で周囲を説得し、権力抗争にも打ち勝ってきたのである。

 田中という人物は、言うなら「情と利」を駆使して対人関係を重視し、局面を打開してきた“文系の人”との見方があるが、実は極めて合理主義に立つ“理系の人”であった。

 少年時代から数学が得意で、実業の世界に出てからも、相手がソロバンを弾いている最中に、価格を速算した。相手に「アンタにはかなわん」と言わせて、商談を成立させてしまうことも、たびたびであった。

 政界入りした後も、「大蔵省の資料や予算書などの数字は一度、目を通したらすべて頭に入ってしまう。カノジョの電話番号を覚えるのと同じだな」と豪語した。この数字を武器に、国会答弁で野党の追及を押し返し、予算折衝でも抵抗する官僚にぐうの音も出させなかった。

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