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そのとき、夫を殺された叔母は金正恩に銃口を向けた (1/3ページ)

 2013年12月12日、金正恩朝鮮労働党委員長によって処刑された張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長は、金正恩氏の叔母である金慶喜(キム・ギョンヒ)元党書記の夫、すなわち彼の叔父だった。

 金正恩氏の父・金正日総書記には複数の弟妹がいたが、母を同じくするのは夭逝した弟を除けば金慶喜氏だけだった。肉親への情に加え、金王朝内部での権力闘争を勝ち抜くための必要性もあって、金正日氏は金慶喜氏をことのほか大事にしたとされる。

 金慶喜氏は政治的にも重要なポジションにあった。一部の北朝鮮ウォッチャーの間では、彼女は金正日氏亡き後の一時期、北朝鮮の政務と人事を一手に掌握する党組織指導部長に就いていたと見られている。ちなみに、党組織指導部長の地位はその後、金正恩氏の異母姉である金雪松(キム・ソルソン)氏が継ぎ、現在は崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員用に移ったとされている。

 (参考記事:金正恩氏の「美貌の姉」の素顔…画像を世界初公開

 張成沢氏は生前、北朝鮮国内で隠然たる影響力を誇ったが、その権力の源泉が妻の血統にあったことは言うまでもない。国内無敵の血統と優れた実務能力、如才なく気さくな人柄で多くの人々から慕われ、あるいは畏怖され、金正日氏の死後には金正恩体制を陰で操縦することになると見られたこともあった。しかし結局、その存在感の大きさが仇となり、甥によって葬り去られることになるのだが。

デイリーNKジャパン

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