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【朝日新聞研究】正義を装いながら“日本蔑視”の主張が横行… 政治的主張が忍び込んだ朝日の文化欄 (2/2ページ)

 11月11日朝刊、文化・文芸面の「エンタメ地図」では、文芸評論家の末國善己氏が、オリヴィエ・ゲーズ作『ヨーゼフ・メレンゲの逃亡』(東京創元社)を取り上げている。戦争中、ユダヤ人への人体実験を行った医師、メレンゲは、戦後は南米に逃亡するが、そこに居住するナチス残党の思想は、ナチス時代と全く変わらなかったという。

 そこで、末國氏は「ゲーズは、戦争の悲劇が忘却され、民族の自尊心をくすぐる思想が広まれば、再びメレンゲ的な悪が台頭するという。歴史修正主義と自国礼賛の声が強くなっている現代を生きる日本人は、この警鐘と真摯に向き合う必要がある」と訓戒を垂れる。

 これらの記事の目的は、過去を論じながら、現代に結び付けて、日本批判を展開するところにあるように感じる。このような正義を装った、日本蔑視の主張が横行する事態こそ、現代日本が抱えている、重大な危機と言うべきである。=おわり

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

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