記事詳細

【日本の元気 山根一眞】「海が枯れている」三陸漁業の危機! 原因の科学的な調査が必要 (1/2ページ)

 青森県八戸市から宮城・牡鹿半島にいたる約600キロの海岸線を「三陸海岸」と呼ぶ。旧国名である陸奥、陸中、陸前の海岸部であることが「三陸」の名の由来だ。この沿岸は親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかるため、植物プランクトンが育ち、それを食べる動物プランクトンが増え、それを餌とする魚介類が繁殖。ウニ、イクラ、アワビ、タコなどが山盛りの海鮮丼が堪能できるのは、三陸の豊かな海ならではだ。

 その三陸海岸ではこの2年ほどタコの豊漁が続いている。「アワビを食べて育った最高の美味のマダコ」が人気を集め始めているのだが、何か変だ。アワビの方がはるかに価格は高いのに、なぜマダコに食べさせているのか。私が通い続けている宮城・北上町大指(おおざし)の漁師さんは、「タコがメチャ増えて、貴重なアワビを食べ尽くしているんだ」と嘆いていた。実は11月末、大指漁港を訪ねた際にアワビを譲ってもらおうと思っていたのだが、まったく獲れていない理由として、その危機を知ったのである。カレイ、ヒラメ、ぷりぷりのイクラがとれるサケなどの漁獲も激減。

 一方、大指ではホタテやワカメ、コンブの養殖が盛んだ。海岸から数キロ沖に出た外海での養殖だけに、育ち具合も味も天然物並み。豊かな海を活かし育てる漁業を進めてきた結果、若者たちが都会から戻り、漁業による生活基盤が向上したのだ。その結果、大指では子供が増え、「多子低齢化」が進んだ。私たちが被災地支援として、子供が多い大指のために「こどもハウス」を建設したのも、もとはその漁業イノベーションゆえなのだ。

関連ニュース