記事詳細

【富坂聰 真・人民日報】“懸念の種”残した台湾統一地方選 有権者のいら立ちは今後どこに向かうのか (1/2ページ)

 11月24日、かねてこの連載でも取り上げた台湾の統一地方選挙が投開票された。

 結果は、すでに多くのメディアが報じているように与党・民主進歩党(民進党)の大敗。メディアの注目は党首の蔡英文・台湾総統の責任問題にも向けられ、蔡氏はすぐさま「完全な責任」があるとして党首の辞任を発表した。

 2020年に予定される総統選での再選は厳しい状況となり、残りの任期での政権運営もレームダックとなる可能性まで指摘され始めている。

 この結果は、真逆の角度から神経をとがらせてきた中国共産党にとっては、さぞ追い風となったのだろう。

 多くの大陸のメディアは、台湾の地図を民進党カラーである「緑」と、国民党を意味する「青」に分け、使用前と使用後で大きく色が変化したことを喜々として図解したほどである。

 統一地方選挙と同時に行われた国民投票で、20年の東京オリンピックに台湾選手が「チャイニーズ・タイペイ」ではなく、「台湾」の呼称で出場することの賛否を問うたのに対して、有権者の「ノー」が突き付けられたことにも安堵(あんど)したはずだ。

 だが、台湾の地図が緑から青に塗り替わったといっても、それが国民党への強い支持を意味するのかといわれれば、そうではない。というのも今回の選挙が、有権者のシラケを背景に行われたことは、事前の調査で嫌というほど突き付けられたからだ。

 緑も青も嫌だから「無色」--。というのが本音であると、本連載でも書いた。

 つまり、今後、無党派の風が、ほんの少し向きを変えれば、「真っ青」が再び「緑一色」に変化するリスクを常に内在する政治環境が続くのだ。安定とは程遠い内容だ。

 それにしても気になるのが、住民投票による決着の広がりである。これも台湾政治の危うさの一つの要素だ。

関連ニュース