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【大前研一 大前研一のニュース時評】「ゴーン追放」の背景と、日産がとるべき“秘策” (1/2ページ)

 金融商品取引法違反容疑で逮捕され、日産自動車、三菱自動車の会長職を解任されたカルロス・ゴーン容疑者について、私はこの春、週刊ポストなどで「ゴーン氏のルノー会長職の任期は今年までだったのに、2022年まで延びた。その後、ゴーン氏はフランス政府寄りに傾き始めた。この裏には、フランスのマクロン大統領との間で、資本提携している日産とルノーの完全統合に関する密約があったのではないか」と指摘した。これが今回の事件の重要なポイントだ。

 ルノーは第二次世界大戦後に国営化され、現在も仏政府が15%の株を保有して、人事権など経営の重要な意思決定に介入している。日産もルノー株を15%保有しているが、これには議決権がない。

 一方、ルノーは日産株を43・7%保有している(43・4%という説もある)ため、完全統合した場合、日産と三菱自動車はルノーの子会社にされ、事実上、仏政府の影響下に置かれてしまう。

 マクロン大統領は野心家で、ナポレオンみたいなエンペラーになることを考えている。実際、大統領就任式はエリゼ宮ではなくベルサイユ宮殿で行っている。日本やドイツ、米国、そして将来的には中国にも1000万台クラスを生産する自動車会社があるのに、仏にはない。これが頭痛のタネだが、ルノーが日産を傘下に収めれば1000万台を超える。そのためには完全統合しかない。これがマクロン大統領のシナリオだ。ゴーン前会長は自分の人事と引き換えに完全統合を進めたという可能性が非常に高い。

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