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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「晩」》黙秘権と真相究明…ジレンマ抱える刑事捜査 (1/2ページ)

 「ずっと、事件のことが気になっていた」「うなされていた」

 東京都内で10年以上前に発生した虐待死事件。当時1歳に満たない女児に暴行を加えて死亡させたとして、今月、傷害致死容疑で逮捕、同罪で起訴された義理の父親は、夜も眠れずに不安を抱えていた状況を、捜査関係者にこう打ち明けていたという。逮捕時に供述を記録する弁解録取でも「罪を償いたい」と容疑を認めていたが、その直後、黙秘に変わった。

 ここ数年、さまざまな刑事事件を取材しているが、当初は容疑を認めていた容疑者が、数日後に黙秘に転じた-というケースにたびたび遭遇する。背景として、取り調べの録音・録画などで可視化が進む中、弁護側が容疑者の供述に慎重になり、「黙秘権」を積極的に活用する向きがあるという。

 事務机の置かれた取調室。スーツ姿の刑事と向き合った男は、「黙秘します」と口をつぐんだ-。こんなシーンは推理小説や刑事ドラマなどでおなじみだが、そもそも、「黙秘」はなぜ認められているのか。

 「自己に不利益をもたらす供述を強要されない」ことを保障する黙秘権は、憲法や、一連の刑事手続きについて定めた刑事訴訟法に規定された容疑者の基本的な権利だ。検察官や司法警察官は取り調べの前に、この権利を行使できることを容疑者に告知する義務があり、沈黙したことを理由に容疑者に不利益を与えるのは「不当」とされている。