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130人が犠牲「水族館の惨劇」のあり得ない結末 (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩党委員長はこの夏、国内各地の工場や建設現場を精力的に回り、生産態勢や工事の進捗具合に難があると思われた部門の幹部らを、容赦なく叱りつけ、檄を飛ばした。

 その熱心さが、やがて惨事につながるのではないかと懸念していたら案の定、現実のものとなってしまった。

 すでに本欄でも伝えた通り、金正恩氏が7月に視察した清津(チョンジン)かばん工場の工事現場で床が崩壊する事故が発生。4人が死亡し、数十人が重軽傷を負ったのだ。金正恩氏から叱責を受けた朝鮮労働党中央委員会が、大慌てで「工場を建て直せ」と指示した結果である。

 (参考記事:河原で500人死亡の地獄絵図…「速度戦」と呼ばれる殺人キャンペーン

 この事故で死亡したのは、専門の建設労働者ではなく、工場の女性職員4人だ。「建設会社」というものが存在しない北朝鮮では、重要施設の工事は軍の工兵部隊や治安機関が抱える建設部隊が担当する。しかし、これらの人員は常に大型プロジェクトに張り付いており、頼んでも来てもらえる状況にはない。

 そのため北朝鮮では、一般住民や工場労働者が当たり前のように建設作業に動員されているのだ。そして過去には、エリートである党幹部や外交官らが現場に動員された結果、たいへんな大惨事に発展した事例もある。

 韓国の情報機関・国家情報院(国情院)の次長や大統領補佐官、駐日大使を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の著書『張成沢の道』(原題)によれば、事件は1978年の春に起きた。北朝鮮では当時、金正日総書記の豪華別荘の建築が極秘裏に進められていた。一部で「水族館」の呼び名で知られていたこの施設は、その名の通り、1階に世界中の珍しい魚を集めた水族館を配し、上層階には金正日氏のための健康施設や寝室、宴会場が設けられた。

デイリーNKジャパン

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