記事詳細

【長谷川幸洋「ニュースの核心」】日本は外国人の「憧れの国」か… (1/2ページ)

 外国人労働者の新たな在留資格を盛り込んだ、出入国管理法改正案が臨時国会で審議中だ。政府は来年4月から施行するために、今国会での成立を目指しているが、いかにも拙速ではないか。

 最初に断っておくが、私は日本が外国人を働き手として受け入れるのは賛成である。単純労働だけでなく、チャンスがあれば、外国人には起業にも挑戦してもらいたい。外国人の多様な文化や発想はいい刺激になる。そのうえで、今回の法案の中身を見ると、問題点が山積している。

 改正案は、相当程度の知識・経験を必要とする「特定技能1号」と、熟練した技能が必要な「特定技能2号」の在留資格を新設する。1号の在留期限は5年で家族帯同を認めないが、2号は更新も帯同も認めて、事実上の永住が可能になる。

 対象になるのは、介護や建設、造船、宿泊、農業、漁業、外食など14業種だ。同時に、現行の入国管理局を法務省の外局として出入国在留管理庁(仮称)に格上げする。

 ここで、「相当程度の知識・経験」とか「熟練した技能」は、どう判断するのだろうか。例えば、ホテルのベッドメーキングを相当程度と熟練で区別するのは難しい。現場の事情で裁量的に審査されると、永住者がどんどん増えかねない。

 心配なのは、住居や教育、医療、年金などの生活面だ。法案は受け入れ企業や委託を受けた登録機関(NPOなど)が支援していく仕組みにしているが、中小企業にそんな余力があるかどうか。実際、日本商工会議所は中小企業が支援のすべてを担うのは「現実的に困難」と表明している。

 十分な支援がないと、せっかく日本で働き始めても生活面で挫折し、地域社会で無用な混乱や摩擦を生む可能性がある。

関連ニュース