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【日本の元気 山根一眞】「気持ちをお伝えしたく…」大指十三浜こどもハウスの“子供”からの手紙 (2/2ページ)

 まど・みちおさんは童謡「ぞうさん」で知られる日本を代表する詩人で、「こどもハウス」竣工のおよそ2年後の14年に104歳で逝去されたが、1世紀以上にわたる生涯の最後に、被災地の少女の心にすてきな贈り物を届けてくれたのだ。

 「こどもハウス」はオープンとともに雨の日でもサッカーやバレーボールで遊べるミニアリーナと化したが、「文科系」のこんな体験をした子供もいたのだ。

 私は、置いておけば読む子供もいるはずと、この7年間、時折、子供向けの本を届けていた。05年3月に訪ねた時、床に子供向け百科事典『kidsジャポニカ』が放置してあるのを見た。「知りたいことがぜんぶこの1冊に!」の帯がめくれていたので、子供が床に寝そべって読んでいたことが伺えた。この百科事典は、辞書編纂者である小学館の吉田兼一さんが数多くの子供向けの本とともに寄贈してくれた1冊だった。

 少子高齢化で子供を増やせという論ばかりが目立つが、過疎地ではなおさら、子供たちが本に触れるチャンスの場を増やすべきだと仙台の女性に教えられる思いだった。

 ■山根一眞(やまね・かずま) ノンフィクション作家。1947年、東京生まれ。獨協大学ドイツ語学科卒。執筆分野は先端科学技術、環境、巨大災害、情報の仕事術など幅広い。近刊は『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』。理化学研究所名誉相談役、JAXA客員、福井県文化顧問、福井県年縞博物館特別館長、獨協大学非常勤講師、日本文藝家会員。

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